sweet voice

「藤原さん、どうでしたか?」


「え、あっ、大丈夫だったよ」


「すみませんでした、ありがとうございます」


後輩の後ろ姿を見送りながら、さっきの電話のことを考えていた。


荒井課長の声、渋くて私の好みで、耳元でささやかれたりしたら鳥肌たちそう。


どんな人なんだろう。


結婚してるとか、彼女がいるとか、何でもいいから知りたい。


あーでも、実際会ってみたら背が低いとか、オッサンだったとか、逆にチャラいとか、ガッカリするパターンかもしれないし。


スノボで出会って、ウエアやゴーグル取ったらゲッ!みたいな。


制服マジックとか、帽子マジックの類いかも。


でも、こうやって妄想をふくらませてるのって、ちょっとヤバイ。


現実逃避みたいな感じ。