そう言い、眉を下げる瑠菜。


おいおい、困らせてどうすんだよ。


そう思ってると、ミホコが「ご両親にスマホをお願いしてみたらどうかな? 何かあってもすぐに連絡できるし、発信機よりも安全かもしれないよ?」と、俺をチラチラ見ながら言った。


「そうですね。相談してみます」


瑠菜がそう返事をした時、黒いスーツを着た白髪頭の男性が店内へと入って来た。


反射的に『いらっしゃいませ』と言おうとしたが、その存在感というか、威圧感に言葉を失う。


「瑠菜お嬢様、こんなところにおられましたか」


「ごめんね。雨が降るなんて思ってなくて……」


「明日からはまたちゃんと学校まで送りますゆえ、無茶はしないでください」


「わかったわ」


「じゃぁねミホコ。また今度」


瑠菜はミホコにそう言い、手を振ってコンビニを出て行ったのだった。