少女は年相応な口調でそう言い、飛び跳ねて喜んだ。


自分が解放されると思っているのかもしれない。


ただの勘違いだけれど、少しの罪悪感が胸を刺激した。


「今日もまた新しい子が来ただろう? その子の事も助けたいと思ってる」


「わかった。お手伝いをしてあげるから、少し待っててね」


少女はそう言うと飛ぶような足取りで屋敷内へと戻って行く。


その後ろ姿を見送った俺は大きく息を吐き出した。


緊張で足が震えていることに今更ながら気が付いた。


でも、これでわかったことが1つある。


ここにいる女性たちも逃げ出したいと思っていると言う事だ。


村山がいる手前嫌な顔はできないけれど、本心は別の場所にある。