「お前と同じだ。お前は瑠菜のために頑張ってた。俺はミホコの為に頑張るだけだ」


伸紀の告白は少しばかり衝撃的なものだった。


今までそんな話1度だって聞いたことがない。


学校にいた時の伸紀を思い出してみても、そんな素振りはなかった。


上手に誤魔化していたのか、それともここに来て俺を安心させるために嘘をついているのかもしれない。


どちらにしても、伸紀の気持ちに変わりはないようだった。


「ミホコを助けて伸紀が売られるなら、俺はまた助けにくるまでだ」


伸紀へ向けてそう言った時、男が戻って来た。


「購入者に連絡をとってきた。男だろうが女だろうがどっちでもいいそうだ。歴史深い家系に生まれた人間に興味があるみたいだ」


「俺でも大丈夫ってことか?」


伸紀が聞く。


男は大きく頷いた。


「望み通り、小娘を解放してやろう」


男はそう言ったのだった。