この商店でも、いたのは老夫婦だけだった。


しわだらけの顔に更にしわを寄せて笑ってくれた。


「こういう村にはきっと必要ないんじゃないか? ロボットが必要なのはもっと忙しい都会だけなんだよきっと」


伸紀がそう言った。


そう言われればそうかもしれない。


この村では時間がゆっくりと流れて行っているような感覚があった。


「そろそろ行くか」


俺はナイロンゴミをゴミ箱へ投げ込んでそう言った。


「あぁ、そうだな」


伸紀が立ち上がる。


商店から見える位置に参道があった。


あれを上って行けば施設に辿りつくことができる。


「行こう」


俺は立ち上がり、歩き出したのだった。