下手をすれば俺も伸紀も捕まってしまう。


その覚悟が俺にはすでにできていた。


一通りの準備を終るころ、一階から晩ご飯の準備ができたと声が聞こえて来た。


正直食欲なんてなかったけれど、俺は素直にダイニングへと移動した。


もしかしたら家族で食べる夕飯はこれで最後になるかもしれないのだ。


失敗したらこの家にも、学校にも戻って来られないかもしれない。


俺は犯罪者としてそのまま捕まってしまうだろう。


食欲のなかった俺だけど、テーブルに置かれたシーフードカレーを見ると途端に腹の虫が鳴りはじめた。


「いただきます!」


元気よくそう言い、カレーの味をしっかりとかみしめながら、俺は晩ご飯を平らげたのだった。