「そうだ、君に1つ聞きたい事があったんだった」


ふいに立ち止まった西崎さんはそう言って振り向いた。


「なんですか?」


『人間発注書』の関係者が俺になんの用事だと、眉間にシワを寄せた。


その時だった。


西崎さんがパソコンを取り出してテーブルに置いたのだ。


「数日前新商品が入った。それがごく平凡な女子高生だったんだが、金額がバカみたいに高いんだ。


俺はこの子を担当していないから、どうしてこれほど金額が高いのか知らないんだ。っもしかして君なら知っているんじゃないかと思ってね」


そう言って、パソコン画面を操作する。


すると、目の前に新商品と呼ばれる数人の若い男女の写真が現れた。


どれもどこにでもいそうな若者たちの写真だったのだが……、俺は1枚の写真に目を奪われていた。