「ずっと前から君の事が好きでした。 付き合ってください」



祭囃子が遠くに聞こえる
人の笑い声
太鼓の音
足音




何故私は告白なんかしているんだ…

気が滅入る様な緊張といたたまれない空気から私はぼーっと考え事をしていた。

ほんともう…何でこんなことに…


ことの発端はこうだ
振り返ること五時間前…


「明日から夏休みだ!!!」

私は叫んだ

「ばかじゃねーのか笑2週間しかないのに」

斜め後ろの席の勇吾がばかにしながら言った

「余計な現実をいわないでよ…」

「お前が馬鹿だから言っといただけだよ笑」

「うるさいなぁもう!あぁ!!!そういえば!」

「なんだよ急に」

「今日お祭りじゃん!!」

「だから?」

「崚矢くるかなぁ!」

「え、きも笑笑」

「キモとかいうなし」

「まだ好きだったのかよ笑」

「わるい?」

「わるかぁねーけど…あ!」

「なに?」

「お前告白すれば?」

「はぁ??」

「まじで」

ガタッ

「いったぁ…勇吾が変なこと言うから椅子から落ちたじゃん!」

「いやお前がどんくさいだけだろ笑」

「うぅ…告白かぁ…」

「すればいいじゃん」

「でも…」

「俺がなんとかしてやるよ!」

「そんなこといってもさぁ…」

キーンコーンカーンコーン

「ほら鐘なっちゃったよ、またお祭りでな笑」

「…」




「付き合うってなにするの?」

唐突な蒼太の言葉で現実に引き戻された。

「えぇっと…手とか繋いだり?一緒に帰ったり?」

勇吾の馬鹿野郎!!全然なんとかならないじゃん!!!泣

「ふーん…」

ふーんって…もうどーしよ…
とりあえず

「返事はこんどきくので!じゃ!」

私は逃げるようにその場をさった。