「あ、そうだ。」 海人はバッグから一冊の本を出し、萌香に手渡した。 「この本、すごく面白かった。読み終わったから返すね。」 「じゃあ、今度またおすすめの本を持ってくるね。」 そう言った萌香の頬は少しだけ赤く染まっているように見えた。