らずべり味〔徒然日記〕

ぼんやり座り込む私に、添乗員さんが声を掛けてきた。



「とりあえず予定のスケジュールがあるので、一緒に行動してもらえますか? 合間をみて、警察に行きましょう。」



その言葉に力なくうなずき、一旦部屋へ戻る。




ベッドの上には、カメラ、化粧ポーチ、スーツケースのカギが散乱していた。




少しでもバックを軽くしようと、食事の前に抜いて行ったものだ。



部屋に放り投げてたら危ないかな、と思っていたが。



逆にそれだけが残ったという皮肉。





しかし、何気なく抜いてた事が、不幸中の幸いだった事に後々気付く。




スーツケースの鍵を盗られていたら、荷物が開けられず、着替えも出来なかった。




化粧ポーチのお陰で、その後もメイクする事が出来た。





まぁ、そんな事を考える余裕が出てきたのは、随分あとだけど。