「……そうね。それでは、私は実可子ちゃんを送っていくので、皆さんはゆっくりしていてください」


 実可子ちゃんは立ち上がると、俺たちに向かってぺこりと頭を下げた。


「今日は、どうもありがとう。わたし、もう意地悪しない。ちゃんと謝るよ」


「偉いぞ!」


 ほとんどいいとこなしだった鈴木のおっさんが気持ちよく彼女を褒めた。他の二人もにこやかに頷いている。

 俺も、最後にいいとこみせなくちゃな。


「実可子ちゃん、この中で一番歳が近い者として、ひとついいこと教えてやるよ」


「いいことって?」


「男がみんな、お嬢様みたいに可愛い女の子が好きだと思ったら大間違いだぜ。実可子ちゃんみたいに元気いっぱいな女の子がタイプってやつも大勢いるんだから。つまり何が言いたいかっていうと、もっと自分に自信持てってこと!」