さらにいうと、肉じゃがは売り切れたと言ってたけれど、冷蔵庫には大量にあったはずだ。
これらの情報を踏まえると、たぶん、おそらく、ほぼ百パーセントの確率で、さゆりさんは彼が嫌いなのだと思う。
でも、なんでだ?
ジジィトリオから聞いたけど、竹内さんはIT系会社の若手社長で、いわゆるセレブというやつらしい。
そのうえ背が高くてスタイルがよく、色黒でキツネ顔のイケメンでもある。
普通のサラリーマンとは違ってジャケットとパンツは違う色を組み合わせていてオシャレだし、身につけているものはどれも高そうだ。
外国車に乗っているという話もジジイトリオから聞いた。
男の俺から見ても完璧すぎる男なのに、どうして冷たく扱うのだろう?
女の人はイケメンで金持ちが好きだと思っていたけど、全員ではないのだろうか。
まあ、さゆりさんLOVEの俺としては嬉しい限りだけれど。
「アメリカンコーヒー、お待たせいたしました」
「ありがとう、さゆりさん。ああ、そういえばこの前……」
「では、ごゆっくりお過ごしくださいませ」
竹内さんの話を遮ると、さゆりさんは俺と小林さんのほうに身体を向けた。彼女の視界には、おそらく竹内さんは入っていない。


