人の世話ばっかり焼いて、自分がまだご飯を食べていないことにも気づいていなかったりして。
「そういえば、私もお昼まだでしたねぇ」
「……やっぱりね」
「冬馬くん、今なにか言いました?」
「いえ、何でもないです」
「そう? うーん、どうしようかしら。さすがに店主が一緒に食べるのはよくない気がします」
そう言いながらも、ご飯を味噌汁を準備している。言ってることとやってることが正反対だ。
こういう状況のことを言行相反っていうんだっけ? 前に授業で習ったような気がする。
「食べているときにお客様がいらしたら、どうしたらいいでしょう」と悩みながら、肉じゃがを温めるさゆりさん。もう食べる気満々じゃないか。
「では、店長さんはカウンター内で食べては如何ですか? カウンターの椅子なら入ると思いますし」
「それ、ナイスアイディアですね~、そうします」
最終的にお客さんのアイディアが採用され、さゆりさんはカウンター内で、俺はお客さんの隣でご飯を食べることになった。
……この状況、なんなんだろう。常連客が見たらどう思うのかな。


