喫茶リリィで癒しの時間を。


「ふっ、なるほどな」


 椿さんは余裕のある笑みをうかべ、意味深な台詞を呟いていた。


 ほどなくして、コーヒーの豊かな香りが店内に充満する。
 この香りをかぐと、ほとんどのお客さんが幸せそうに笑う。


「そういえば、喫茶リリィって灰皿がないんだねえ」

 
「そういえばそうですね。言われるまで気がつきませんでした」


 言われてみれば、喫茶店ってタバコが吸えるお店が多そうなイメージだ。
 最近は、分煙と禁煙で分かれているところが圧倒的だと思う。

 喫茶リリィは狭いからそれは難しいだろうけど。


「母の代までは喫煙可だったんですけどね。私は、子供からお年寄りまでいろんな方に来ていただく場所にしたかったので、禁煙にさせていただきました」


「たしかに、吸わない人にとってあの煙は苦痛だろうからな。君の判断は正解だろう。まぁ、喫煙者の俺にとっては肩身が狭い話だ」