旅館の小さな庭にある梅が咲いた。

私は、女将さんに、やめると話した。

「これから、どうするの?」

「ずっと山奥だったから、海沿いの街に住もうかなって思ってます。旅をしながら、探そうかなって。」

「それじゃあ、住むとこ決まったら、連絡して。荷物送るから。」

「ありがとうございます。」

私は、深くおじぎをした。

女将さんは、私の背中をポンっと叩いた。

いってらっしゃいって言われて、少し元気が出た。