「…せんせ、これDの間違いじゃないよね」
「ははっ!どう見てもBだよ!B!!」
あと少しで合格圏内に私がいる…
早く……
早く海実ちゃんに知らせなきゃ!!!
「ありがとうございます!!」
講師に一礼し、私は塾を飛び出した
早く結果を伝えたいー…
その一心で自転車を漕ぐ
お昼とは違って生暖かい風は少し肌寒い風になっていて、私の背中を押してくれている
入塾した当初は
後段園は受からないって言われた…
時間が足りないって…
でも…海実ちゃんと約束した以上無理でも努力は続けてきて
それがあと少しで実る
海実ちゃんに伝えたらどんな顔するかな
王子様みたいな笑顔で褒めてくれるかな…
それとも気を抜かなって笑ってくれるかな…
