〜超能力者の少女は暴走族のお姫様。〜



「じゃ、またねー」


「…ん。」


「なんだよー、別れ際も素っ気ない。」


うるさい…

いちいち絡んでこないで…


「…送ってくれてありがと…。スピード注意…。おやすみ…」


そう言って家のドアを掴む。


「もー、やっぱ、落としたい!!じゃ、また明日ー!」


明日、会わないでしょ…

そう思いながらもそのまま家に入る。


私が鍵を閉めるとバイクのエンジンの音がして春クンが去って言ったのがわかった。



__ピンポーン



えっ?

誰?


春クンは、もういないよね…?


不思議に思いながらも覗き窓から覗くと佐々木さんがいた。


あっ、佐々木さんは、私が通ってる学校の理事長で唯一、信用できる人。
さっきも紹介したけど。


__ガチャ


「佐々木さん…」


「美夜ちゃん。こんな遅くにごめんね〜、」


遅く…?

時計を見ると21時。


たしかに、いつもよりは全然遅い…


この時間に帰宅とか…

心配かけちゃったかな…


「…ごめんなさい……」



「え、いいのよ〜。全然!さっき見たけど、彼氏とデートしてたんでしょう?あ、覗き見ごめんね。でも、あれって、桜樹の桑野クンよね〜。いい人ゲットしたじゃない」



「ちょ…。彼氏じゃ…ないです」


「隠さなくてもいいのよ〜。でも、よかったわ〜。美夜ちゃんにとって信用できる人が現れて。」


嬉しそうな佐々木さん。


この誤解は、解かなくていいかな…

いや…でも、解いとこう…


学校で変に春クンに佐々木さんが話しかけたら嫌だし。