「じゃ、これでお前も姫だ。」
…表面上はね。
ここに来るつもりもないし。。
「美夜…」
「…?」
いきなり名前を呼ばれてすこしドキッとする。
「美夜でいいんだよな?」
「…うん」
「俺様は、桜樹の総長の東条 龍(トウジョウ リュウ)だ。」
「…うん」
「龍とでも呼べ。じゃ、今日は、帰ってもいいぞ。ま、ここで泊まってもいいが。」
そしてニヤッと笑う。
「…帰ります…」
私は寒気がして、急いで断る。
泊まるなんて有り得ない…。
「そうか…。じゃあ、誰かに送らせよう」
心なしかしょんぼりとしている龍。
「…結構です…。」
「は?道わかるのか?」
あ、たしかに…
「…わからない…」
「フッ。バカだな」
はぁ?なによ
あなたの方が意味不明なバカじゃない!
と言いたいけど、我慢…
やっと帰れそうだし…
「春がいいか?」
「何が…?」
「送ってくやつだよ」
「あ…うん…」
「わかった。先に下に行ってろ」
「……ん…」

