「…離して…」
上目遣いだけど睨みながら低い声で言ってみる。
けど、離してくれない。
「こっちを見ろ」
はぃ?
「…やだ」
「いいから見ろ!」
「…っ」
仕方なく顔を上げるとまたもやイケメンドアップ。
もう…、心臓に悪い……
「ふ〜ん……。…お前の瞳、綺麗だな」
!!
またもや意味不明な発言。
でも、悔しいけど、超イケメンなこいつに綺麗と言われてドキッとしてしまう自分がいる。
瞳は変えてないもの。。
私の、裸眼。
「綺麗な黒だ__。真っ黒で何も映さない__。気に入った__」
…!?
それ、褒めてるの?
何も映さない瞳を気にいるの?
この人、変な人……
だよね…?
「よし、お前、桜樹に入れてやる」
はぁ?
やっぱ、変な人!
意味不明…
「……結構です…。そして離れてください」
キッパリと断るとこの人はびっくりしたような顔をした。
その隙に私はさっと離れた。
「なんと言った__?」
「…私は…桜樹には入りません…」
「はぁ?じゃあ、なんのために来た?」
はぁ?じゃないよ…
呆れてるのはこっちよ。
何様のつもりかしら…
しかも、なんのためって、
あなたに呼び出されて、半端強引に連れてこられたんですけど__…

