たった一言。

前橋…



前から歩いてくる。




どんどん近づいてくる。





「ひより。話しかけるんだ!ひより。勇気をだせ!」



前橋が通り過ぎる。



『…っ』


さっき私の目の前にいた前橋は、もう私の後ろにいる。


今日もだ。


声をかけられなかった。



やっぱり私は。






勇気がないみたいだ。