「そこ、退いてくれないか。俺の女がここの組長に捕えられてる」



「あぁ…下條様の事ですか。先程組長と喧嘩をしていましたね」






心臓が嫌な音を鳴らす。







「もう手遅れですよ。…組長に何を言ったんですかねぇ、下條様…」





不敵に笑い、笑い終えると、俺たちを鋭い眼差しで睨んだ。







「なんであんな女1人にあなたが来なきゃいけませんか?そんなに価値のある女ですか?」








川島の低く鋭い声に、後ろの幹部たちは固まる。








「あの女は、俺にとって堂島組よりも大事な女だ」




川島は表情を変えずに俺を睨む。

そして、堂島組にいた頃のような人懐っこい笑みで笑った。





「!」