「知ってるも何も、1年ちょっと前に…堂島と抗争をしていた組です」

「そう。その抗争にあの双子が巻き込まれた」





皐月と葉月が…あの抗争に…!?



「葉月の父親も俺達の代の幹部だった。
嫁は当時の姫だ。
2人は2年前、事故で他界してる。
それで、姫の妹夫婦の俺達が引き取った。
…そして、1年も経たないうちに葉月は、死んじゃぁいないが皐月も失った形になる」




風翔さんは当時を思い出すように、一つずつゆっくり語ってくれた。






「俺達が思っているより双子って言うものは絆が強い。
それに、たった1人の兄弟を、失った事で皐月が撃たれたあと、気を失った葉月は目が覚めたら、皐月が撃たれた時の記憶をなくしていた。
…その後、皐月が植物状態であることを伝えると、犯人を探すために毎晩夜街を出歩いていた。
そこで喧嘩の術を学んで、強くなった。

そして、しばらくして何かのきっかけで記憶を取り戻した。そして、夜街を出歩くのをやめ、家から出なくなった。
そして、それから一年がたって学校に行くようになり、お前達に出会った。」


これが俺らの知っていること。…そう風翔さんが言った。


「あとはお前の親父が知っているはずだ」




親父…?
…親父が?


俺は勢いよく立ち上がって元幹部の皆さんに頭を下げた。


「すいませんでした!!…2人とも…絶対に死なせません」


堂島のせいだ。

俺たち堂島が一般人を抗争に巻き込んだ。

「それはもう過ぎたことだ…。ただ、お前達が本当にあの2人の事を思って、今行動しているなら、あの2人を闇から導いてあげてくれ。
…頼んだぞ、黒龍」








「「「「「「「はい!!」」」」」」」