「優雅」


総長室のベッドに寝転がっていると、扉の向こうで薫が俺を呼んだ。

俺は扉を開けて薫を中に入れた。


「優雅は…葉月ちゃんを信じている人?」







「当たり前だ。あれはなにか理由がある」


「そうか…よかった。俺、風翔さんと真琴さんに話を聞きに行こうと思ってる。何より葉月ちゃんや皐月の近くにいたのはあの人たちだ」






「俺も行く」


俺はパーカーを羽織って、2人で総長室を出た。





幹部室にスマホを取りに戻ると、藍音と詩音も来ていて、久しぶりに全員が揃っていた。




…いや、葉月が、皐月がいない。






「「話聞こえた」」

「「「俺らも行く」」」
「私も」



よかった…藍音や詩音もちゃんと思い出したみたいだ。


ここにいた時の葉月の笑顔は偽物なんかじゃなかった。
葉月は皐月の代わりとしてここにいるようだった。そうなればあの時の言葉は合わない。


全員で真琴さんの元へ向かった。