私が憎いか、と問いたその目はとても暗く、哀しみの色に染まっていた。


どうしても気がかりだ。






なにか理由があった。
きっと。







葉月がいなくなって、皐月がいなくなった日を思い出す。
俺達の間にも光は消え、黒龍はまた闇に包み込まれた。



あの日やられた下っ端は1人も目を覚まさない。





もう1週間だ。

心が、体が…あいつを求めてる。




もう、詩音も藍音も人を一切信用しなくなった。黒龍にもあの日から来ていない。



真帆と龍真と若葉は毎日黒龍に来ては幹部室で話をしている。

愛二はみんなで遊びに行った時に撮っていた写真を、毎日スマホで見ている。




薫は相変わらずパソコン。


俺は組の仕事に追われている。




組のものに何度も聞かれた。
『若姐さんはどこだ』と。
適当に誤魔化して何も言わない俺に、親父とお袋は「喧嘩か」と言う。





皐月がいなくなった時のようだった。




どこで何してる…?あのメモは…?

お前、本当に俺たちを裏切ったのか?
本当に皐月を殺したのか?