組長さんは苦笑いで、『冬乃』と呼ばれた綺麗な人を抱き寄せた。


「俺も気に入った。よし…見合いの件は全て蹴ってやる。…その代わり、堅気をこの世界に入れるのは自殺行為。しっかり護れよ」

「言われなくてもそうするつもりだ」






優雅は即答で言った。
「組長、葉月さんのこと気に入ったみたいですね」


圭斗さんが優雅に向かって、小さい声で言うと、

「あぁ。…まぁ、一安心だな」


と言った。



「組長、失礼する」



優雅は私の腕を引いてどこかへ向かう。
「圭斗。『蓮の間』(ハスノマ)にいるから何かあったら声をかけろ」


「了解」

圭斗さんは頭を下げてどこかへ行ってしまった。



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「大事な話があるんだ」

「うん?」


さっき言っていた『蓮の間』という部屋に入って、優雅が正座をした。
自然と私も正座をする。






「今日から…ここに住むことになる」

「うぇい!?」

あ、、変な声出た。


「風翔さんには…一言言っておいたんだが…」



ん…?
風翔さん…。んー。


あ!そう言えば…病院で…。
『娘が旅立ってく〜』って言ってたよね。
付き合うくらいで大袈裟な…って思ってたけど…そういうことか。


「あー…。なんかそれっぽいこと言ってたような…」



「それで、色々ここの事とこの世界のこと説明しとかねぇとって思ってな」

「うん」