「皐月……皐月、……まだ起きないの?……………………………………皐月……ごめんね」

私はそこで意識を失った。













ーーーーー目が覚めると自分の病室だった。


「あ、葉月っ…」

またモニターは繋げられていて、今度は点滴が増えていた。


「病室を抜け出すなんてな…油断したな〜」




風翔さんは困ったように笑った。
「ごめんなさい…」と無表情で謝った。

「葉月…、皐月の隣の病室にしてあげるから…もう点滴引き抜かないでね」





「だ、っ、ダメ!!!!」
「え?」


「ここでいい…もう行かないから…。点滴引き抜かないから…」




風翔さんは何も聞くことなく、優しく笑ってから「分かった」、そう言って病室を出ていった。