点滴を引き抜く。






力の入らない足を叩いて、歩く。

病室を出てある病室を目指す。










裸足で廊下を歩く。
ペタペタと足音が鳴る。


周りの患者さんに好奇の目で見られて、それでも気にせずに歩く。








ーガラッ


一番最上階の一番端の病室。
患者名は「下條 皐月」





「皐月………」

ーピッピッピッ




沢山の管で繋がれた皐月。

モニターから一定の音が鳴っている。






皐月がこんな目にあったのは…すべて私のせい…。

皐月はもう1年間、植物状態に陥ってしまっている。




黒龍は「行方不明」だと思っている。

ハッキングしても行動の形跡はない。
だから失踪したのだ…と。