そして、羽悠の泣き声につられたのか、羽音も泣き出してしまった。

すると、羽悠は泣き止んで、顔を上げた。


「羽音、泣いちゃった…」


心配そうに、羽悠は羽音に近づいた。

背の高い優雅は、羽悠に見えやすいように屈んであげた。

「抱っこするか?」

「いいの?」

「当たり前だろ?」


羽悠はカーペットの上にペタンと座って、手を伸ばした。

泣きじゃくったままだけど、どうなるか、と優雅は羽悠に羽音を抱かせてあげた。


不思議と泣き止んだ羽音は、羽悠の顔に手を伸ばしていた。



冬乃さんはふふっと笑ってそれを見ていた。


「羽悠、今からママとパパいないけど、羽音のこと頼めるか?」

「うん!羽悠、おねえさんだもんっ」


あとで冬乃さんから聞いた話では、そのまま、ずっと羽音を離さなかったみたい。