頼む…。

「優雅」

薫が小さく耳元で言った。

「逆探知成功だ」

「…どこだ」



「〇〇湾の近くにある倉庫だ…相当治安が悪くなっきてるところだ」



俺はスマホを放置したまま、みんなを置いて下に降りた。


バイクに跨ってエンジンをかける。


すると、隣から手が伸びてきてブレーキをかけられた。







「何すんだ!!!早く…早く行かねぇと…葉月が!!」


「落ち着け!!!」





俺を止めたのは詩音。

女嫌いだからか?だから、どうでもいいのかよ…。


「離せ…」

詩音は舌打ちをして俺をバイクから引きずり下ろした。






「生きてる。聞こえた」


「あ?」

「お前がここに来たくらいに、息の音が聞こえた」








詩音は耳がいい。

100m先での誰かの会話も耳に届く。



「お前らを巻き込むわけにはいかねぇ…」

「おいおい、ジョーダンだろ。…うちの真帆もいんだよ」
「「俺も行く」」


みんな総意だった。

「銃を持ってる可能性だってあるんだ…」



「「「「「「上等」」」」」」






くそ…やろう共が…。

「行くぞ」





「「「おう!!!!」」」

「「「あぁ!!」」」