「ママっ」


羽悠がテッテッテッと走ってきて、私の足元にしがみついた。

「どーしたのー?」

「羽音(ハオ)がねっ、えーんえーんって言っててねっ」


半年前にもう1人、子供が生まれた。

堂島 羽音、男の子。


羽音が泣いていて、不安になったのか、羽悠は半べそで私にしがみついていた。

今日は優雅の仕事が休みで、4人でマンションにいた。

ご飯を作っていた私は絵本を読んだり、人形で遊んでいる羽悠を見ながら炒め物をしていた。


泣き声に気がついたのか、羽悠は羽音を見に行ったみたい。


「パパはどうしたの?」



そう言いながら部屋を覗くと、羽音を慌ててあやす優雅がいた。


「ごめん、寝てた…」