葉月は困ったようにそう言った。

そんな訳ねぇけど、とにかく意地悪がしたいのか、俺もそれに悪ノリする。


「あぁー、このまんまじゃ泣き疲れるぞ〜?可哀想だな…」


怜は苦笑い。

柊雅は、う…と顔を歪ませながら手を出した。

葉月は泣き止まない羽悠を柊雅に抱かせた。



「うぎゃああぁぁあッッ…ふぅっ……うー…」




「お見事」

葉月は満足げに笑った。

気がつけば、羽悠は柊雅の腕の中で眠っていた。


「も、も、もういいだろ…っ」



葉月も俺も羽悠を抱こうとしないせいで、どうすることも出来ず、小声で弱音を吐いている柊雅。


「だ、ダメだって…まじで……っ、兄貴ぃ……葉月っ…。早くっ…」