もう何日も不規則な睡眠。

そのせいか、目を閉じるとすぐに意識は無くなった。








「若…若!」

「ん…」


俺は、はっと起き上がって葉月に視線を移した。


「何かあったのか?」

「熱、少し下がってきましたよ」


丁度看護師が体温を図り終わったあとだったらしく、38度弱まで下がったらしい。

まぁ、普通だったら一安心だ。

だけど、葉月の場合は違う。

平熱に戻らない限り、安心だとは言えない。



ーコンコン


「失礼します」

鬼頭先生が点滴と、注射器を持ってきた。


「葉月ちゃん、ちょっとチクッとするよ〜」

一生懸命に、うんうんと頷く葉月。

鬼頭先生は点滴を変えたあと、葉月の腕に注射器を打った。



「手術の傷があったから出来なかったんだけど、もう完治仕掛けてるから。これで今日中には熱が治まるからね。…よく頑張ったね」


俺と圭斗は先生に頭を下げた。

鬼頭先生は、じゃ、と手を振って出ていった。