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そしてあっという間に一ヶ月。

葉月は鬼頭先生や森谷先生の予想した通り、高熱にうなされ、生死の境をさ迷い、体はボロボロだった。


組やこの病室に、傘下や同盟、古くから付き合いのある組がお祝いを持ってくる。



俺はまだ娘には会いに行っていない。

だから、来る組のやつらも、お袋も親父も、風翔さんたちも黒龍の奴らも、みんな会っていない。


両の親があってないのに会えるか、って。



寂しいだろうけど…もう少し待ってろ…。
ちゃんとママと、会いに行くからな。


産まれた娘は2000g弱の低出生体重児、つまり未熟児で、命に別状はないそうだが、数ヶ月は保育器の中だ、とNICUの先生が言いに来てくれた。


俺はずっと葉月につきっきりで、仕事もストップさせている。



「若…どうですか?」

「変わらず、だ。全然熱下がんねぇ…」


39度。上がりもせず下がりもせず。

酸素マスクがないと過呼吸を起こすと、言われた。

荒い呼吸を繰り返し、意識はあるものの、呼吸の辛さからたまに意識がなくなる時もある。


「そう、…ですか…。若、少し休まれたらいかがですか?俺、代わります」

「…あぁ、頼んだ。」



俺は圭斗に、葉月の汗を拭くタオルを渡して、ソファーに横になった。