葉月の目から涙がボロボロとこぼれ落ちる。


「泣くな…そんな泣いてちゃ出てこれねぇだろ。早く会いたいんだろ?俺だって…。一緒に頑張ろう…。な?」

「……帝王切開…」


葉月が呟いた。

凄く嫌そうな顔だけど、強く決心した顔。


「それだったら…助かるんでしょ…!?」



うーっと顔を歪めて叫ぶ。




「あぁ」

「私っ、頑張るから…っ、お願い…徳孝先生…」


森谷先生は、はい!と頷いて看護師に指示を出す。






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そしてそう長くはかからないうちに、中から赤ちゃんの鳴き声が鳴り響いた。

全身の力が抜けていくのを感じ、親父に支えられた。


「おめでとう。女の子だそうですよ」




鬼頭先生はニコッと笑って、赤ちゃんはNICUへ、先生は中へ戻っていった。


俺はバッと頭を下げた。





ずっと気を張っていたから気が付かなかったけど、待合室には全員来ていた。

黒龍の幹部、皐月、風翔さんの奥さん、圭斗。
風翔さん、水谷先生、五条先生。