俺は病院に着くまで、葉月の手を握っていた。


あまりの痛さに、陣痛がおさまっている時は涙を流していた。

でも弱音は吐いていない。




強いな…葉月。




「ぁ…ぁあ…!はーっ、は、…はすい、っした…っ」


お袋が分かった、と返事をして柳田を急かす。


「着きました!」

病院の入口には森谷先生と、看護師達が待っていた。



「まだ30週ですよね?」

「はい」


森谷先生は俺の返答に、うーんと考え込んだ。


「分かりました…。藤!鬼頭先生とNの先生に連絡を」

「はい!」



看護師は電話をし始めた。


ストレッチャーの上で叫ぶ葉月。

俺は手を握ったままついて行く。