今日はお昼から、冬乃さんと警護の人たちとお買い物に来ていた。


最近、組の人たちはベビー用品を買ってくるようになって、私と優雅の部屋に入りきらなくなり、別室に置くほどの量になっていた。


にも関わらず、みんな楽しみにしていてくれてるようで、たくさん買ってくる。





今日は、冬乃さんがベビーベッドを買ってくれるみたい。




「見て〜これなんかどう?」


厳ついボディーガードが私と冬乃さんの周りにいることから、周囲のお客さんからは、何だ何だという目。




「うぁーっ…高いですよ…」

「えー?安いわよ〜。いいのよ、気にしなくてっ」



30万が安いだと…!?

むむむ…。



「冬乃さん、これはどうですか?」



さっきと半分の値段。

色も白と薄い水色で統一されたシンプルなデザイン。


高さも丁度いいし、柵の高さもいい。



「そうね〜!これいいね!」



即決めで、カード支払いをして、後日家に届くようにしてくれた。


「ありがとうございます」

「いいのよ〜」



うふふふっと上品に笑ってみせる冬乃さん。


「あ、そう言えば…。子供が産まれるとね、優雅は若から組長になるの。
そうなればあなたは『姐』になるの。
だから…挨拶や会食とか、お付き合いが増えるから、着物を買わなきゃいけないのよ…」




組長…そうか…。


「そうなんですね…あ、でも私着物なんて着れないです…!」


「それはいいのよ。私が教えてあげるから」




そう言って、私を連れて呉服屋に着た。



「堂島様…!いらっしゃいませ。今日はどうなさいますか?」


「あら。今日は私ではなくて、この子の着物を。今は採寸しなくていいわ。デザインを決めておきたいの」


「承知いたしました。お待ちくださいませ」





綺麗な女の人が、綺麗にお辞儀をして奥に入っていった。





………………………………


「これなんかどうですか?」

「あら〜いいわねぇっ」




冬乃さんはたくさんの生地を…というか、10着以上の着物を選んでお会計に回した。




おおお、お金持ちだったんだよね…堂島組は…。おおおお、恐ろしい…。