まだ自由が聞かない体。

座布団から立ち上がるのも一苦労。



ちょっと時間をかけて立ち上がり、滉雅さんが座っていた椅子を引っ込めた。


「優雅」

「んぁ?」

「本心?」


「…ふっ…んなわけねえわだろ。本当は死ぬほど嫌だ」

「だと思った」

「でも、あいつが料理の道辞めてまで組長やる方がもっと気に入らねぇな」

「だと思った」




小声で話す私たちを見た滉雅さんは柊雅くんに言った。



「仲いいな。あの2人」

「だろ?どんだけ寒くてもあそこだけ真夏なんだよ。暑苦しいったらありゃしない」



その言葉を聞いた優雅は、柊雅くんの頭を勢いよく叩いて、柊雅くんは凄まじい勢いで文句を言う。

笑顔でじゃれ合う?いや、兄弟喧嘩?いや…仲良く話す3人は、とても絵になる。



美男子兄弟だ…。