「えぇ。18になりました。軽蔑…するかもしれないんですが、妊娠して、夏に子供も生まれます」
「いいえっ、軽蔑なんて…。命を授かることは素晴らしい事ですから!」
「ふふふっ…やっぱり似てますね。」
「え?」
「近いうち、もっとお話がしたいです。帰ってきてくださいね」
「えっ?あ、え!?」
私はお金を置いて、車で待ってもらっていた圭斗さんの元に戻った。
「あの…」
圭斗さんは心配そうに私を見た。
「圭斗さん、滉雅さんと仲が良かったんですか?」
私の言葉に、少し驚いたように目を見開いた。
図星なんだ。
だって…
「同年代…ですよね」
「…ふっ…凄いですね…。
…滉雅とは小1の頃から中学までずっと一緒でした。
高校受験の時、調理科に行きたいって…名門の高校をうけて…。その時、まだ俺は堂島と繋がりが無くて、俺と滉雅は高校で別れ、俺は一般の高校の普通科を受けました。
それで…半年たった時、両親が経営していた会社が倒産して、家族で路頭に迷っていた時、滉雅が『弟の側近としてうちに来い』って言ってくれたんです。」
「そうだったんですね…。」
「あの…『音無』に行ったことは…」
「誰にも言いませんよ」
圭斗さんは悲しそうに笑った。