葉月を抱えて、ちゃんとした位置に寝かせると、上から葉月のお気に入りの毛布。かけた。
「お前、ちゃんと女に優しかったんだな」
「うるさいですよ」
みんなして俺をホモ扱いしたがる。
好きになるのに性別なんて関係ないが…生憎と、男は好きになれない。
「あっ…これってもしかして…」
陸希さんは、棚に置いてあった写真立てを手に取った。
その写真は、先日貰った、4D写真。
「俺らの子供です」
「やっぱり!!うわぁー、かわいいなぁー!目元がゆーに似てるよ!鼻筋と口元は若干はーちゃんだ!!」
「ほんとだな…。男か?女か?」
「さぁ…まだ分からないんですよ。」
「今何周だっけ?」
王子さんは写真を見ながら言った。
「17週です」
「いいなぁーっ俺も子供欲しいーっ」
陸希さんの声で、葉月は目を開けた。
ぐーっと伸びて、ぼーっとしてから我に返ると、起き上がって言った。
「来てたなら起こしてくださいよ…」
「いやいや。そんな訳には行かないだろう。…どうだ?」
「もうだいぶいいんです。検査の結果が良ければ退院もできるので…。」
「そーなんだ〜。赤ちゃんは?順調?」
葉月は満面の笑みで「はい!」と言った。
それを見た2人は、安心したように立ち上がって、脱いでいたジャケットを羽織った。
「じゃあ。また来るからな」
「ばいばーい」
「はい!気をつけて」
葉月はふたりに手を振った。