あの日から、葉月の容態が急変することはだんだん少なくなっていった。

体調も顔色も機嫌もよく、回復は凄く順調だった。




一ヶ月が経ち、妊娠も5ヶ月に入ると、酷かった悪阻も落ち着いた。



「お腹、目立つようになってきたな」

「うん」



俺は葉月のお腹に手を当てる。






葉月は、ニッと笑って言った。


「男の子かな?女の子かな?」

「「どっちでもいい」」



綺麗にハモって、笑う。





「おう、団欒中か?」




「親父…」

「雅人さん!こんにちは」

「おう。」


片手をあげて返事をした親父の後ろには、側近2人。

「雪人さんも、憲さんもこんにちは」

「「若姐、こんにちは」」

「冬乃さんは?」


「買い物に行っちまってな。」

「そうですか…」