みんなは盛り上がっていて、それを壊さないように気を使ってくれた風翔さんは小声で私に言った。





「うん」

「それから…、これ。ずっと検査検査で渡す時間が無かったから…」




風翔さんが私の手に握らせたのは、写真。




「こっ…」


私の声で静まり返った病室内。


「これっ…!」




優雅は、なんだなんだと、私の手元を覗き込んだ。

優雅は「わ…っ」と、その写真に食い入るように見た。


そして、心から嬉しそうに、宝物を見るかのようにその写真を見ていた。





「赤ちゃんの…写真っ」



柊雅君が写真を勢いよく手にして、みんなの方にかけて行った。