「葉月さん、また来ますね」 10分後、優雅の側近は優雅を引きずって帰っていった。 葉月は苦笑いで見送りながら、車椅子に乗ってリハビリテーションに向かった。 「どうなんだ?」 「なにが」 「葉月の容態だよ」 頑張って車椅子を動かす葉月の後ろ姿。 「…」 「そ、んなに悪いのか…?」 真琴は腰掛けていたベッドから立ち上がって、なにか言えよ。と言わんばかりに俺を凝視する。 「笑顔なのが不思議なほどだ…」 「…えっ?」