「葉月」





「風翔さん、毎日来なくてもいいのに…。お仕事忙しいんでしょう?」






「普通の病室でいいのに…」とボヤいていたものの、堂島組の若姐、ブランド会社社長令嬢ということもあり、病院長の決定でVIPの個室になった。



あらゆる検査をし、問題はなかったものの、体の麻痺と、多少の言語の違和感が残った。








「いいんだよ。俺は外科部長だから」



「そんな事言ってるといつか外されちゃうよ」






葉月と俺は笑いあった。






「優雅は?」


「最近ずっとここに入り浸ってたから…私が怒ったの。だから、ついさっき、イジケながら圭斗さんと仕事に行ったよ」



「そっか」