「葉月…っ」


涙声で葉月の名を呼ぶ優雅の肩は、少し震え、ひどく怯えているようだった。




「優雅!!!信じろ!お前が信じなくてどうすんの!!!優雅を愛してんのも葉月だ!!!葉月を愛してんのも優雅だ!!!」



その先の言葉が出てこなくて、優雅の胸ぐらを掴んで唸っていると、優雅は少しだけはにかんで言った。





「皐月には敵わねぇな…。でも、葉月を想う気持ちはお前にも負けない」



普段、葉月の前以外ではなかなか笑ってくれない優雅の微笑。



「くそっ!イケメンめ!!!」



なんか悔しくなって、優雅の額に全力のデコピンをかました。



そして、1時間ほどで徳孝先生と風翔さんが出てきた。


「心停止になったけど…なんとか持ち直した」

「お腹の子も無事でしたよ」



俺達は安堵のため息をこぼす。


「…で、この人は?」