そんなある日だった。



葉月のいるICUに、医者や看護師たちが慌ただしく出入りし始めた。

怒鳴るような指示。



風翔さんの声だった。




俺は優雅と一緒にICUの前にいた。

ガラス窓から眠る葉月を見ていた。




「手術室に運んでる暇ない!!!ここでやる!!!一式持ってこい!!!」

「「はい!!!」」





そこに徳孝先生が慌ただしく走ってきた。

優雅が先生を呼び止め、聞いた。


「何が…、」

「君は…?…えっとね、下條さん、急変して…っ、ちょ、ごめんなさい!!!」




話している時間も惜しいようで、軽く頭を下げてICUに入っていった。



優雅は椅子に崩れるように座って、頭を抱えた。