安心したのか、優雅はふらついて倒れ込んだ。
私は何とか抱きとめて、ゆっくり床に寝かせた。
ここは少し海から離れているから…みんなを呼ぼうにも……この人どうにかしなきゃ…。
銃を下ろして私達を見ている男性店員さん。
「あんた、そいつ大丈夫か?…あいつらよく来るんだ。これはエアガンだよ」
男性は救急箱を持ってきて、優雅の頭の傷の手当をしてくれた。
「強いな。こいつは。あんたを守るために」
「何でなんだろうね…」
「そりゃあれだ、惚れてんだ」
「優雅が…私に?無いね。この人たちは私の事を、私の兄の代わりとして仲間に置いているだけ。……きっと兄が戻って来れば、私はここから追い出される」
この1週間、とても楽しかった。
皐月の親友だからね。
「…まだ出会って1週間だけれど」
私が笑いながらそう言うと、店員さんは言った。
「好きになるのに時間はかからないことだってあるさ」
よく分からない言葉を残して、優雅の頭に包帯を巻いてくれた。
意味がわからないまま、店員さんは「それじゃあな」と言って奥に戻った。
「…は…葉月」
優雅は頭を押さえながら起き上がった。
「あぁ、起きた?どう?」
「大丈夫だ…」
「行くぞ」と、私の腕を引いて海の方へ歩き出した優雅。
