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葉月の心音が少しずつ遅くなっていた。


俺は耐えられなくて、窓の外に目をやって涙を流した。


いなくなるって…どうしても考えてしまう俺が嫌だった。




みんなが葉月の名前を呼んでいた。







真琴さんが、葉月が泣いていると言った。


体が勝手に動き、葉月の頭の方のベッドに座った。



葉月の顔をのぞき込む。
俺の涙が葉月の頬に落ちた。



泣くな、という意味で名前を呼んだ。





でも、泣きやんだ葉月の代わりに俺の目からはとめどなく涙があふれる。


「心拍…が正常値まで回復した…っ」





風翔さんの、ありえないと言うような声色。







ゆっくりと葉月は目を開けた。



葉月を失うかもしれない恐怖、葉月が目を覚ました歓喜。

他にも色んな感情が混ざって涙が止まらなかった。











「葉月、愛してる」


俺は葉月を抱きしめてそう言った。

私も愛してる。そう言って葉月は目を閉じた。





少し焦る俺を見て、風翔さんが言った。


「大丈夫。疲れて眠っているだけだ」






俺は安堵のため息をついた。



それから葉月から離れない俺を見て、気をきかせたみんなはそれぞれ、帰っていった。