『葉月、誕生日おめでとう…。』

『おきろよ…まだ寝んのか…?』


『そんなに寝てたら次寝る時寝れなくなるぞ』

『みんながお前の事待ってる』

『圭斗もうるせぇし、親父だってお袋だって』

『組員なんかここに来たらみんな号泣してるぞ』


『葉月…まだ起きねぇの?』





私は懐かしい大好きな人の声に、涙を零した。



「葉月…泣いてんのか…っ?」

真琴の声が聞こえた。

真琴がそう言うと、少しベッドが揺れた。



頭の中に流れてくる、私がある状況。

窓の方を向いて一言も喋っていなかった優雅が、真琴の言葉を聞いて、私のベッドに座った。




まだ私は目を開けていなくて、どうやって開ければいいのか、私にもわからない。






ーポタッ


ーポタッ



頬になにか、あたたかい雫が落ちてくる感覚。
私の頬を滑り落ちた。



「葉月……」


静かに私を呼ぶ優雅の声。







目を開けなきゃ…!