「うん…わかった」


私も涙を堪えきれず、一粒の涙を零した。





2人をぎゅっと抱きしめた。







「葉月、優雅君と皐月とみんなで仲良くやるんだよ。」


「元気でね…体に気をつけるのよ」




お母さんはたくさん泣いていて、お父さんはお母さんを支えている。



私の体はオレンジ色の光に包まれて、薄く透けていく。







「2人も…っ、ずっとここで仲良くね!!…いつか、皐月と一緒にまた来るからね…っ」





私は2人に手を振った。



もう消える。
そう思った時、お母さんはたまらず私に手を伸ばした。


でも間に合わず、私は消えた。





最後に見えたのは泣き崩れるお母さん、悲しそうに笑うお父さんだった。







娘が目の前にいて、もうずっと会えなくなるのに平気で見送る両親なんてどこにもいない。


私はまた、心の中でサヨナラと言った。











急に体が重くなって、思うように動かせない。

目を閉じているようで何も見えなかった。








「葉月!」

「葉月、起きろ!!」

「葉月ちゃんっ」


「「葉月さん!!!」」





耳を澄ますと、みんなの涙声で私を呼ぶ声が聞こえる。

私、危ない状況にあるんだね。





「葉月…っ死ぬなっ」



皐月の声も…聞こえる。



でも…優雅の声が聞こえない。






私は何となく、誰から貰ったのか分からないネックレスをぎゅっと抱きしめた。

すると、頭の中で声が聞こえた。