穏やかな表情でベッドに寝ていて、安心した俺はその場に崩れた。


「心停止して…全然回復しなくてな…。
けど、ふと優雅の事を口に出すと何事も無かったかみてぇに…いつも通り心臓動かしてんだもんな…。
お前、愛されてるよ。
葉月も葉月なりに頑張ってるから、お前はぜってぇ諦めんなよ」







またあとで様子見に行く。と手をひらひら振りながら汗で少し濡れた髪をぐしゃぐしゃと解しながら立ち去った。





俺は病室に運ばれる葉月について行った。












早く目覚めろよ。



早く黒龍の奴らに顔見せてやれよ。



早く堂島の組員に「ただいま」って言ってやれよ。



早く圭斗に「ただいま」って言ってやれ。




早く親父とお袋に「心配かけてごめんなさい」って笑顔で言ってやれ。
















早く…早く俺に……声を聞かせてくれ。